株式会社ヒラソル・エナジー 様
太陽光発電所の運営を効率化するDXソリューション開発を手掛ける東京大学発スタートアップ企業、ヒラソル・エナジー様。
山梨県企業局と太陽光発電分野の共同研究を行い、2023年から太陽光発電・水素・ユーティリティの最先端研究を行う拠点「Nesrad」(山梨県甲府市)にて、産業用複合型太陽光発電施設向けの次世代エネルギー制御システム「ぷらマネ®リンク」を開発し実証実験を行なわれています。
電力の運用管理・制御を最適化するためにEMS(※1)が採用されるケースが多く見られますが、「ぷらマネ®リンク」は太陽光パネル・蓄電池・EV・V2X対応充放電装置などをマルチベンダーで接続し一体的に運営できる点が革新的です。
太陽光発電による発電から蓄電、EV充放電(V2X)、需給計画の管理、給電まであらゆる機能を統合制御できます。システム設計の自由度が高く、Nesradでは国内最多種類(※2)となる3カ国9メーカーの太陽光発電周辺機器を統合運用しており、国内セキュリティ規格をクリアする高度なサイバーセキュリティも特長です。
太陽光発電とEVを統合する中核として活用しているのが、椿本チエインのV2X充放電装置「eLINK」。通信インタフェースがETHERNETで各種通信方式に対応でき、組み合わせる機器の選択肢が多く設計の柔軟度が高いため、これまで実例が少なかった産業用複合型太陽光発電施設でのマルチベンダーによる施設設計や一体運用が可能になりました。
「eLINK」と「ぷらマネ®リンク」を組み合わせることでEVの蓄電池から取り出した電力を建物内へ供給し、発電量が少ない時間帯の電力購入量を最適化できます。発電した電力を消費しきれないときはEVの蓄電池に余剰分を貯めて電力を無駄なく使うことができます。設備の設計や稼働状況に応じてソフトウェアを柔軟にカスタマイズできることから、ピークシェービングなど最適な制御ルールを細かく設定ができ、電力コストの支払いを最大限抑えることが可能です。
災害停電時にはEVから放電することで、非常用電源の確保ができます。
太陽光発電設備を新設する際、余剰電力が生じることによるピークカットを避けるために太陽光発電パネルを最大限設置しないケースが多いですが、消費電力を増やすために社用車をEVに変更し、「eLINK」と「ぷらマネ®リンク」を組み合わせるプランを提供できます。発電能力の最大化にも役立ち、企業活動における再生可能エネルギー利用の促進やSDGsの取組を加速することができます。
※1 EMS(エネルギーマネジメントシステム):エネルギーの使用状況を可視化し、最適なエネルギー利用を実現するための制御システム。
※2 ヒラソル・エナジー株式会社調べ、2024年1月現在、日本国内における太陽光発電の制御システムとして。
「当社が「eLINK」を選んだ理由として、①オープンプロトコルのMODBUS/TCPに対応している点、②エンジニアや営業の方と代理店経由ではなく直接コミュニケーションを取ることができ、きめ細かくサポートやご提案をいただける点、③マルチベンダーによる周辺機器と柔軟に組み合わせることができ、一体運用が可能である点が大きいです。実際に冷却用のファンの使用について相談させていただきましたし、ヒラソル・エナジーが挑戦したい目標に沿った仕様を提案・見積りしてくださいました。
「eLINK」は、通信仕様面でもハードウェア面でも設計の柔軟性が高いので、自由にカスタマイズして作りこみたいという私たちの要望を実現でき、マルチベンダーにより高性能と低コストの両立を実現する「ぷらマネ®リンク」のコンセプトとマッチしています。国内規格に対応している概ね全てのEVと接続可能であり、今後も活用の事例や可能性が広がっていくと思います。
私たちのミッションとして、太陽光発電のDX化、つまり発電所運営の運営効率化を進めていますが、必要不可欠な技術要素である「リモート制御機能」を持つ充放電装置は「eLINK」だけでした。自動車メーカー向けの製品納入実績が豊富で、品質が確かな点も信頼しています。
今後も、更なる技術展開、例えば効率的な400Vの三相配線の対応などを期待しています。
ヒラソル・エナジー CTO 池上様
ヒラソル・エナジー株式会社について
ヒラソル・エナジーは、東京大学発のAI・IoT技術で「100年続く太陽光発電の実現」を目指す電力系スタートアップです。太陽光発電所の事業的価値と社会的価値を最大限引き出すことを目指し、発電所の運営効率化のためのDXソリューション開発、既設発電所の買取・集約化運営、オンサイトPPA型太陽光発電所の新設などを行っています。
「ぷらマネ®リンク」について、詳しくはこちらをご覧ください。
■ヒラソル・エナジー株式会社
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