北海道における
eLINKと電気自動車の活用事例

北海電気工事株式会社 様 　室蘭支店

北海電気工事株式会社様は、北海道電力の「ほくでんグループ」の一員として、北海道全域の電力・通信インフラ、商業施設、公共施設等を対象に電気設備の設計・施工・保守を行なわれています。また、雪を解かすための融雪システムの設置工事のほか、防災設備、太陽光発電システム、高圧・特別高圧電気設備の設置など、多岐にわたる事業を手掛けられています。

北海電気工事株式会社様では、2019年から2020年にかけ、電気自動車の需要拡大を見据えて、北海道電力などと共にバーチャルパワープラント（VPP）の技術実証を実施。

電気自動車のバッテリーから電力を取り出すために必要な充放電装置を選定される中で、椿本チエインの「eLINK」が選択肢に上がりました。

バーチャルパワープラント（VPP）とは？

バーチャルパワープラント（VPP）とは、分散型エネルギーリソース（DERs）をインターネットや高度な制御システムを通じて一元的に管理し、仮想的な発電所として機能させる仕組みです。具体的には、太陽光発電や風力発電、電気自動車などの小規模なエネルギー源や蓄電装置をネットワークで結び付けて統合管理し、まるで単一の発電所のようにエネルギー供給を行なう仕組みを指します。

バーチャルパワープラントの技術検証に向けて、他社製のV2H製品を試験導入されましたが「家庭用を前提とした製品であり、事業用途のシステムに組み入れるには少々不便だった」とのこと。他の充放電装置を探される中で、椿本チエインのeLINKを試験、評価される運びとなりました。eLINKは「出力自律機能」を装備しているほか、EMS（エネルギーマネジメントシステム）からの応答速度が速いことなどから「事業用途のシステム構築時に扱いやすい」と評価を頂いております。

この実証実験時の出会いがきっかけとなり、北海電気工事様が新たに電気自動車を導入するタイミングで、室蘭支店にeLINKを設置いただくこととなりました。

eLINKの出力自律機能

商用系統から受け取る電力が目標電力になるように、充電／給電出力を自律的に制御するモードです。例えば、太陽光発電の余剰電力を電気自動車へ充電したり、不足すると電気自動車から給電させるなど、eLINK単独で自律的に充放電制御します。

北海電気工事様は、電力・通信インフラなどの保守・メンテナンスを手掛けられていることから、災害時や停電時にも迅速に業務を行なう必要があります。そのため、室蘭支店は停電時にも迅速に対応できるよう建物や敷地内に太陽光パネルと定置型蓄電池を備え、徹底したBCP対策が施されています。

非常時には、太陽光パネルと蓄電池が照明や一般コンセントに電力を供給し、消費電力の大きな複合機などについてはeLINKを介して電気自動車から取り出した電力を使用するといった使い分けを設計・運用されています。

また、冬は室蘭市でも降雪があり、例年、氷点下を下回る日々が続きますが、eLINKは-10℃の低気温にも耐えられる頑強な製品仕様であり、冬の寒い日でも日常のEVへの充電に加え、非常時のBCP対応に備えることができます。